市場の規律

 サッポロビール株主総会がここ数日話題になる中で、こんなニュースが目に
飛び込んできました。

  
  「米KKRがアジア向け買収ファンド・40億ドル、半分は対日投資」(日経新聞


野蛮な来訪者―RJRナビスコの陥落〈上〉

野蛮な来訪者―RJRナビスコの陥落〈上〉


 KKRは上記の題材となったRJRナビスコ敵対的買収で有名な米系ファンドです。

 
日本では投資ファンドといえば、村上ファンドやサッポロを標的にするスティール・パートナーズ
などのアクティビストファンドの方がまだお茶の間になじみが深いと思われます。
しかし、これからはKKRのほか、ビクター買収の有力候補、TPGなど対象企業を安く買い
企業価値(曖昧に使いすみません)を上げて高く売る「プライベート・エクイティ・ファンド(PE)」
も日本市場で存在感を示していくでしょう。


投資銀行―日本に大変化が起こる

投資銀行―日本に大変化が起こる

 この本で著者が指摘するように、標的企業の経営陣にとって、PEの方がアクティビストより脅威に
なるでしょう。株式の高値売却を繰り返した村上ファンドやスティールに対して、PEは株式の大半を
取得し経営権を掌握、企業を再建するのが目的です。経営者の首がすげ替えられる事態もありえます。

 
 こうしたファンドの登場は様々な功罪があるでしょう。が、株式市場に緊張感を与え
規律ある経営を行う企業が増えるのはいいことなのは間違いないでしょう。